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新築から1年決まらない空室。建築時の「高すぎる家賃査定」を疑え!

2026.10.17

空室対策


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個人的「天下の伸びしろ」エリアでもある蔵前の新築マンション。
そこに1年間入居者が決まっていない物件があります。

台東区の中でも蔵前は、浅草線・大江戸線の蔵前駅が使えて、隅田川沿いにカフェや雑貨店が増え、単身者やDINKSの賃貸需要がとても旺盛なエリアです。
私たちが日々、賃貸の現場で接していても、築年数が浅く、きちんと相場どおりの賃料であれば、募集を開始して1〜2週間で申込みが入る物件は珍しくありません。

その蔵前で、新築なのに1年たっても埋まらない。

「物件がない」

というお部屋探しの方の声はよく聞きますが、違います。
物件はあります。

ただ条件が合う物件がないだけです。

「新築なら黙っていても決まる」

という前提は、いまや通用しなくなっています。
そして、決まらない原因の多くは、エリアの人気や建物の出来ではなく、建築時に提示された家賃査定そのものにあります。

この記事では、建築会社が提案する「新築アパート」の収支計画に潜む構造と、建築と管理を同じ会社が担うことで生じる利益相反について、現場で見てきた事実をもとにお話しします。
建築会社を一括りに批判するつもりはありません。
誠実に建てて、誠実に管理されている会社もたくさんあります。
ただ、仕組みとして起こりやすい問題があることは、オーナー様が建築を決める前に知っておいていただきたいのです。

すでに新築を建てて、想定どおりに入居が決まらず、広告料(AD)の請求書を前に焦っている方にも、きっと思い当たる点があるはずです。

人気エリア・蔵前でも起きている「新築なのに1年空室」の異常事態

「新築=すぐ決まる」はもう通用しない

新築物件には、入居者に選ばれやすい強みがあります。
設備が新しく、内装もきれいで、誰も住んでいない部屋に最初に入れる。
この「新築プレミアム」は確かに存在します。

ただ、そのプレミアムが効くのは、周辺相場に対して納得できる賃料である場合に限られます。

入居希望者は、SUUMOやHOME’Sで、同じ駅・同じ間取り・同じ広さの物件を並べて比較します。
新築であることの価値は、せいぜい数千円から、条件が良くても1万円前後の上乗せです。

相場より2万円、3万円も高い賃料では、どれほど外観がおしゃれでも、問い合わせの段階で候補から外れてしまいます。

蔵前で起きているリアルな現場

私たちが拠点を置く蔵前は、賃貸需要が強いエリアです。
それでも「新築で1年決まっていない物件」が現実にあります。

需要が弱いエリアで空室が出るのは、まだ理解できます。
しかし需要が旺盛なエリアで1年も埋まらないとなると、原因は立地ではありません。

価格の設定が市場から離れているのです。

こうした物件のオーナー様は、たいてい次のような状況に置かれています。

  • ・建築時に聞いていた賃料で募集しているが、反響がほとんどない
  • ・管理会社から「ADを上げましょう」「フリーレントを付けましょう」と提案が続く
  • ・賃料そのものを下げる提案は、なぜか最後まで出てこない
  • ・返済は毎月始まっていて、収支が計画から大きくずれている

もし今、建築会社から高利回りの新築アパートやマンションを提案されている段階なら、この事実は

「提案されている家賃は本当に決まる金額か」

を疑う、最初のきっかけにしてください。

なぜ「相場無視の強気な家賃査定」が生まれるのか?

建築費から逆算された「作られた家賃」

建築会社が提示する収支計画書には、想定賃料が書かれています。
多くのオーナー様は、これを「プロが市場を調べて出した数字」と受け取ります。

ところが実際には、建築費から逆算して作られた賃料であるケースがあります。

仕組みはシンプルです。

1. 土地代と建築費の総額が決まる
2. 金融機関に融資の話を通すには、一定の利回りが必要になる
3. その利回りを満たすために、必要な賃料が逆算される
4. その賃料が「想定賃料」として収支計画書に載る

本来は、周辺の成約事例を調べて賃料を決め、その賃料で採算が合う建築費に収めるのが筋です。
順番が逆になると、建築費が高いほど、賃料は相場から離れた「強気」な数字になっていきます。

建築会社側の動機を冷静に見る

ここで大切なのは、悪意の有無を論じることではありません。
構造としてそうなりやすいという点です。

建築会社の収益の柱は、建物を建てて引き渡すことです。
受注できなければ、その先の管理も始まりません。

建築費が高くても「利回りが見栄えよく出る」収支計画を示せれば、オーナー様の決断を後押しできます。

つまり、強気な家賃査定は、高い建築費でも見栄えの良い利回りを出し、建築を受注するために使われやすい。
営業担当者個人が嘘をついているというより、会社の仕組みがそちらに向かわせている面があります。

諸悪の根源は「新築一巡目さえ埋まればいい」という短絡的な計画

もう一つ、見逃せない問題があります。

強気な査定の背景には、「新築の一巡目さえ満室になればいい」という短い視野の計画があります。

アパート経営は、30年、40年と続く長い事業です。
最初の入居者が入る一巡目だけでなく、2巡目、3巡目、10巡目と、退去と募集を何度も繰り返します。

長期で見れば、あるべき賃料は「新築時だけ通用する賃料」ではなく、築10年、20年になっても入居者が付く水準です。

ところが、建築時の計画は、一巡目をどう乗り切るかに重心が置かれがちです。
その後の賃料下落、修繕費の増加、設備の更新といった長期の収支は、後回しにされるか、ごく楽観的に書かれます。

「手出し5カ月分」の衝撃。無理やり利回りを作る募集の手口

強気な賃料のまま、どうやって入居を決めるのか

では、相場より高い賃料のままで、どうやって入居者を決めるのでしょうか。

答えは単純で、オーナー様の身銭を切って決めるのです。

賃料を下げれば、収支計画書の利回りが崩れます。
建築会社としては、下げたくありません。
表向きの実績、広告や新規案件開拓用の「数字」として利回りの現実は重要だからです。

そこで、賃料は据え置いたまま、別の形でコストを積み上げます。

AD(広告料)の過剰な積み増し

ADとは、入居者を紹介してくれた仲介会社に支払う広告料のことです。
相場は賃料の1カ月分前後ですが、決まらない物件では、2カ月、3カ月と積み上がっていくことがあります。

ADを上げれば、仲介会社はその物件を優先して案内してくれるようになります。
ですから、ADの積み増しは短期的には効果があります。

しかしこれは、賃料が適正でないことの穴埋めを、オーナー様の現金で行っているにすぎません。

フリーレントとの組み合わせで「実質5カ月分」に

さらにここへ、フリーレントが加わります。
入居後1カ月から2カ月、賃料を無料にする条件です。

ADとフリーレントを組み合わせると、次のような計算になります。

  • ◆AD:3カ月分
  • ◆フリーレント:2カ月分
  • ◆合計:賃料5カ月分

実際に、AD(広告料)を過剰に積み増し、さらにフリーレントを組み合わせることで、オーナー様の「手出しが実質5カ月分」にもなる物件があります。

賃料8万円の部屋なら、入居者1人を決めるだけで40万円の持ち出しです。
10室あれば400万円になります。

「満室になりました」

という報告の裏で、これだけの現金が出ていく。
それでも、収支計画書の上の賃料は、強気の数字のまま保たれます。

2巡目の退去時に出てくる「市況が変わりましたね」

一巡目をこの手法で乗り切ると、次に必ず訪れるのが退去の時期です。

AND2巡目の募集のとき、管理会社の担当者から、こんな言葉が出てきます。

「オーナー様、少し市況が変わりましたね。この賃料だと厳しいので、下げましょう」

この「市況が変わりましたね」という言い方は、現場でよく耳にする常套句です。

本当は、市況が変わったのではありません。
最初から市況に合っていなかった賃料が、ADとフリーレントという「見えない値引き」で支えられていただけです。
2巡目は新築プレミアムがなくなり、見えない値引きだけでは決まらなくなったので、ようやく賃料そのものが下がる。
ただそれだけの話です。

ところが、オーナー様に伝えられるのは「市況の変化」という、誰の責任でもない説明です。

「近所に新築が出来た」
「競合物件の家賃が安い」
「競合物件は広告料を大量に出している」

建築時の査定が適正だったのかという根本の検証は、そこでは行われません。

もし今、提案書に書かれた賃料に対して

「本当にこの金額で決まるのですか」

と質問したとき、

「新築なので大丈夫です」

としか答えが返ってこないなら、その賃料が適正なのかどうか、一度弊社にご相談ください。

建てた会社に賃貸管理をそのまま任せる「利益相反」の恐ろしさ

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。

利益相反とは何か

建築と賃貸管理を、同じ会社、あるいは同じグループの子会社が担っている場合、2つの事業の間には構造的な利益相反が生じます。

  • ・建築部門にとっての「良い結果」は、建物が問題なく引き渡され、クレームが出ないこと
  • ・管理部門が本来守るべきは、オーナー様の資産と手残りであること

この2つが衝突する場面が、実際に起こります。
そのとき、そのグループ企業でもある管理部門はどちらの味方をするのでしょうか。

「オーナー様を守る管理」ではなく「元請会社を守る管理」になっている実態

管理会社が本来果たすべき役割は、オーナー様に代わって建物と入居者を見守り、問題があればすぐに報告し、オーナー様の利益を最大化することです。

ところが、建てた会社の系列にある管理会社は、「オーナー様を守るための賃貸管理」ではなく、「元請会社(建築部門)を守るための賃貸管理」になってしまうことがあります。

悪い人がいるから、ではありません。
給与も評価も同じ会社の中にあり、建築部門と管理部門が同じ組織図の中で動いている以上、そうなりやすい構造だということです。

不具合や施工ミスが「報告されない」リスク

具体的に、どんなことが起こり得るのでしょうか。

賃貸管理では、入居者からの連絡が最初に入ります。

  • 「天井から水が染みてきている」
  • 「壁の裏から異音がする」
  • 「床がたわむ」
  • 「上階の足音が想像以上に響く」

こうした連絡は、建物の不具合や施工ミスの兆候であることがあります。
本来なら、管理会社はすぐにオーナー様に報告し、原因を調べ、施工会社に是正を求める必要があります。

ところが、管理会社と施工会社が身内の場合、次のような対応になるリスクがあります。

1. 入居者からの連絡が、管理部門から建築部門へ内々に伝わる
2. 建築部門が「経年や使用状況による軽微なもの」として処理したがる
3. オーナー様には、軽微な修繕としてしか報告されない
4. 保証期間(契約不適合責任の対応期間など)が過ぎてから、問題が表面化する

オーナー様が重大な施工ミスの存在を知らないまま、保証期間が終わってしまう。
これが、利益相反が最も深刻な形で現れるケースです。

不具合を管理部門が建築部門に抱え込み、オーナー様に報告しないという状況は、構造上、起こり得ます。

オーナー様が自分でできる確認ポイント

すべての管理会社を疑う必要はありません。
ただ、次の点は確認しておくと安心です。

  • ①修繕の報告書に、原因と施工会社の判断が具体的に書かれているか
  • ②入居者からの苦情・要望が、すべてオーナー様に共有されているか
  • ③建築保証期間の終了前に、第三者の目で建物を点検する機会があるか
  • ④管理会社を変更したいと伝えたとき、どのような反応が返ってくるか

最後の項目は、意外と重要です。

「当初から信用できない会社」と、末長く付き合っていけるのか

この記事のもう一つの大切な視点を、お伝えさせてください。

ここまで、家賃査定の問題、ADとフリーレントの手出し、2巡目の言い訳、利益相反の構造を見てきました。
技術的な論点はたくさんありますが、突き詰めると、根本にある問いはひとつです。

「最初から信用できない提案をしてくる会社と、30年、40年の賃貸経営を一緒に続けていけますか?」

アパート経営は、建てて終わりではありません。
入居者の入れ替わり、設備の故障、大規模修繕、売却や相続まで、管理会社とは数十年にわたって付き合います。

その間、何度も「この判断で本当に良いのか」を問われる場面が来ます。

そのとき、最初の段階で次のような違和感があったなら、それは無視しないでください。

  • ①収支計画書の賃料に、根拠となる成約事例が添えられていない
  • ②賃料が決まらなかったときのシナリオ(賃料を下げた場合の収支)を見せてもらえない
  • ③「新築だから大丈夫です」「今が建て時です」と決断を急がされる
  • ④質問すると、はぐらかされたり、不機嫌になったりする
  • ⑤管理と建築を一社で任せることのデメリットを、説明してくれない

信頼できる会社は、都合の悪い数字も最初に見せてくれます。
「この賃料で決まらなかった場合、手残りはこうなります」
と、悪いシナリオも出してくれます。

逆に、良い数字しか出てこない提案は、後から必ず辻褄を合わせる場面が来ます。

最初の提案で誠実さが見えない会社が、2巡目、3巡目で急に誠実になることは、まずありません。

これは、感情論ではなく、長い付き合いを前提にした経営判断としての話です。

【まとめ】新築アパートの空室対策と管理会社選びの重要ポイント

本記事の結論として、新築アパートの空室問題と利益相反について重要なポイントを整理します。

  • ①新築でも空室が続く最大の理由:立地の問題ではなく、建築費から逆算された「相場を無視した高すぎる家賃設定」が根本原因です。
  • ②利回りを偽装する募集の手口:家賃を下げずにAD(広告料)やフリーレントを過剰に付与することで、実質的にオーナー様が手出し(数カ月分の負担)を強いられています。
  • ③建築・管理一体型の利益相反リスク:建てた会社と管理会社が同じ系列の場合、不具合の報告遅れや建築部門をかばう対応が生じやすくなります。
  • ④根本的な解決策:利害関係のない第三者の管理会社による「客観的な適正家賃の査定」と「セカンドオピニオン」を受けることが、長期的な手残りを守る唯一の防衛策です。

超長期視点で「手残りを守る」ためのセカンドオピニオンを

建築前でも、募集中でも、遅くはありません

ここまで読んで、不安になった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、対処できるタイミングは、いくつもあります。

建築を検討している段階:提案された家賃が、本当に成約する水準かを確認できます
募集を始めたが決まらない段階:ADやフリーレントを積み増す前に、賃料の妥当性を見直せます
すでに満室になった段階:2巡目の賃料下落に備えて、長期の収支計画を作り直せます
管理会社に不信感がある段階:管理の質を第三者の目で点検できます

大切なのは、建築や管理を担当している会社とは利害関係のない、第三者の意見を一度聞いておくことです。

当社がお伝えできること

私たちルームキューブ株式会社は、台東区・蔵前を拠点に、賃貸仲介・賃貸管理・売買・不動産コンサルティングを手がけています。建築会社ではありません。

建築を受注する必要がないので、建築会社の利益に縛られることなく、次のことを正直にお伝えできます。

  • ・周辺の成約事例にもとづく「本当の相場」
  • ・ADやフリーレントに頼らずに決まる賃料の目安
  • ・2巡目、3巡目まで見据えた、超長期視点での収支計画
  • ・現在の管理会社の対応が適切かどうかの客観的な評価

ときには、オーナー様にとって耳の痛い数字をお伝えすることもあります。

「この賃料では、おそらく決まりません」

と言うのは、決して気持ちの良いことではありません。
それでも、数年後に

「あのとき言ってもらえて良かった」

と思っていただけるほうが、私たちには価値があります。

まずは無料の家賃査定・セカンドオピニオンから

次のような状況なら、一度ご相談ください。

  • ・建築会社から新築アパートの提案を受けていて、家賃の根拠に不安がある
  • ・新築で募集しているのに、半年以上決まらない
  • ・ADやフリーレントを積み増す提案が続いている
  • ・今の管理会社の報告や対応に、少し引っかかるものがある
  • ・管理会社の変更を考えているが、何から始めればいいかわからない

ご相談だけで、建築や管理の契約を変更していただく必要はありません。
まずは適正家賃の無料査定と、現在の管理状況のセカンドオピニオンから、お気軽にお問い合わせください。

どこからの影響も受けず、ただオーナー様の利益を守るための立場から精一杯のアドバイスをさせていただきます。
「正直不動産」を読んだことのない私、榎本が、あなただけの参謀として正直に目一杯のサポートをさせていただきます。

まずはお気軽にご相談くださいませ。

弊社では、宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスターや、賃貸不動産経営管理士、行政書士、ファイナンシャルプランナーなどの有資格者が賃貸・売買問わず、お部屋探し・賃貸管理のお手伝いをさせていただきます。

【この記事を書いた人 ルームキューブ 代表取締役 榎本 敦史】
家賃滞納の督促が不動産業界の入り口。その家賃の回収から入居審査、立ち退き交渉など、様々な入居者の方の人生模様に触れ、不動産管理会社のあるべき姿を模索し、ルームキューブを起業する。不動産投資のおまけのように扱われる不動産管理会社の仕事の大切さを知ってもらうために、収支改善、資産価値向上、コスト管理に空室対策といった分野で独自のアイデアを活かした賃貸管理サービスを提供している。
【保有資格】
宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・賃貸住宅メンテナンス主任者など

◆◆◆ルームキューブ賃貸管理センターでは、賃貸物件を所有のオーナー様からの賃貸管理・不動産投資、また、不動産売却、不動産購入、住宅ローンに関するご相談などをお待ちしております。
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