「みんなで大家さん」行政処分の衝撃。「手放し・高利回りファンド」の異常な収益構造と実物不動産の真価
2026.09.05
不動産投資の罠

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個人や中小企業を相手に出資を募る怪しい「不動産ファンド」
相次ぐファンドの行政処分。2800億円の債務超過が意味するもの
2026年9月1日、大阪府と東京都は不動産小口化商品「みんなで大家さん」の運営会社である都市綜研インベストファンド、そして販売会社であるみんなで大家さん販売に対し、事業許可の取り消し処分を行いました。
全国でのべ7万人以上、2000億円を超える資金を集めてきた大型ファンドは、これにより事実上の事業終了し、実質的な破綻を迎えてしまいました。
正直、私も一枚かんでやろうかなと思ったことがありましたがやめておいて良かったです。
こんな事業モデルが上手くいくはずがないと感じた私の直感は当たりました。
同社の2026年3月期決算は、約2881億円の債務超過。
大阪府は、現金残高が償還すべき債務のわずか0.05%程度しかないと認定。
年利7%の分配金をうたっていた商品の実態が、これ。
しかも、賃料の未収が生じている事実を伏せたまま新規の販売を継続していた疑いまで指摘されており、正直「悪質」と言い切ってもいい会社さんでしたね。
改めて書きますが、私はこのニュースや事実が発覚するのは遅すぎたんじゃないかってくらいに思います。
長年、自社でも不動産投資をやったり、敏腕の投資家さんと話したり、賃貸管理に取り組んできた人間からすれば、こうなることは最初から見えていました。
「手間もかからず、年利7%が毎月安定して入ってくる」
こんな話が本当に成立するなら、なぜプロの不動産会社がこぞってその物件を奪い合わないのでしょうか?
万が一仕入れることが出来たら、配当分の利回りも家賃収入とすればさらに大きく儲かるんじゃないでしょうか?
15%の利回りで仕入れた物件を、7%の利回り物件で売却した方が効率がいいんじゃないでしょうか?
そこで手数料と差益を抜く方法を模索した方がいいんじゃないでしょうか?
そんな彼らがこんな事業を考えた答えは単純です。
そんな美味しい案件は現実には存在しないか、存在してもごく一部を見せ玉にして、大部分は実態の伴わない仕組みで支えられていた。
二つの都府県が揃って許可を取り消すという事態は、金融の世界における「破綻宣告」に等しいです。
今回の一件は、いつか必ず表面化する時限爆弾が、ようやく破裂しただけの話だと私は見ています。
プロから見た異常性。年利6〜7%ファンドの「破綻する収益構造」
率直な問いです。
「そもそも今の市況で、賃貸運用だけで実質6〜7%以上が安定して回る優良物件など、我々プロでもそう簡単に仕込めない。
どうやってそんな夢のようなプロジェクトを量産しているのか?」
現場でずっと感じてきた違和感。
固定資産税、修繕費、管理費、原状回復費、空室損失。
これらを差し引いた後に実質6〜7%を安定的に叩き出せる案件は、市場に出た瞬間、業者間のネットワークで真っ先に奪い合いになる。
そんな稀少な物件が、なぜ広告を打ってまで一般の個人投資家に、しかも小口で売られてくるのか。
冷静に考えれば、これほど不自然な話はありません。
私からすれば「異常」な物件情報です。
では、その利回りはどこから生まれていたのか。
「結局は、賃貸運用だけでなく最終売却時の差益、キャピタルゲインを見込んでいる。
しかし、こんな高値で物件を掴んでくれる次の買い手がいなければ、出口がなくなりスキームは即座に破綻する」
これが、こういった商品・事業設計そのものに埋め込まれた「矛盾」です。
実際、主力商品の一つは大規模商業施設開発を名目にしながら、何年経っても現地は更地のままだったと報じられています。
開発が進まなければ土地の価値は上がらず、出口としての売却も成立しません。
今回の破綻は、この「矛盾」が現実に露呈した結果に過ぎません。
賃貸経営というのは本来、入居者が実際に支払う家賃をいただくビジネスです。
ところがこうしたファンド型商品の多くは、そのビジネスの根幹の一部を、
「将来、誰かが高値で買ってくれるはず」
という願望に置き換えています。
願望の上に建てられた収益計画は、買い手が現れなかった瞬間、支える柱を失い、事業そのものが崩れ落ちます。
「ヤマワケエステート」等にも波及。他人の金で回す「自転車操業」の罠
「みんなで大家さん」だけが特殊な事例だと思ってはいけません。
2026年2月20日、同じく高利回りをうたう不動産クラウドファンディング「ヤマワケエステート」も、大阪府から不動産特定共同事業法に基づく行政処分を受け、60日間、新規契約の締結・勧誘行為が停止されました。
理由は二つ。
・ファンドごとに資金を分けて管理する「分別管理」を怠り、複数ファンドの資金を混在させていたこと。
・その混在した資金の中から合計1億円を超える金額を、別のファンドの支払いに流用していたこと。
です。
少額だからやってみるか!
これだけ大々的に広告してるんだから間違いないだろう!
知り合いも始めたから安心だろう!
こんな単純な判断基準で大事なお金を浪費してはいけません。
怪しさ満載のこんな投資を始めて
「将来に備えて(不動産)投資、始めました!」
なんて自己満足に浸ってはいけません。
投資家さんは気づくべきです。
事業運営者はあなたの、他人のお金を使って物件を売り買いし、自分たちは身銭を切らずに手数料を抜くビジネスモデルです。
この構造を知れば、なぜこうした処分、そして今回の「みんなで大家さん」の破綻のような事態が繰り返されるのかが見えてくると思います。
物件が値上がりしようが値下がりしようが、投資家の元本が守られようが毀損しようが、運営会社は運用規模と期間に応じた手数料を先に受け取れる立場にいたのでしょう。
運営側は実質ノーリスク。
新規の出資金で配当を払い続けるような、自転車操業、ポンジ・スキーム的に陥りやすい構造的欠陥があります。。
ヤマワケエステートの資金流用も、「みんなで大家さん」の債務超過も、根っこにある欠陥はまったく同じ、個人や中小企業といった「情報弱者」を騙すビジネスだったのでしょう。
高利回りの商品を見たときに確認すべきは、数字そのものではありません。
- ・その利回りの原資は、具体的にどのキャッシュフローから生まれているのか
- ・運営会社の評判はどうか?代表者や役員の人柄や実績はどうか?
- ・運営会社は、投資家と同じ重さのリスクを本当に背負っているのか
この三つにおいて、あなたを明確に納得させられない商品・運営会社には、大切な資産を預けるべきではありません。
大切な資産を守るなら「実物不動産」の地道な経営に勝るものはない
小口化されたファンド商品と、実物不動産の決定的な違いは何でしょうか?
それは、経営の手綱を誰が握っているかという一点に尽きます。
ファンド商品では、あなたの資金は運営会社の財布に一度預けられ、その先で何が起きているかを、あなたは直接確認することは出来ません。
分別管理が守られているかも、資金がどこに流用されているかも、そして会社が実質破綻するかどうかも。
全ては行政処分や決算発表という「後出しの情報」でしか知りようがない状況がほとんどです。
一方、実物の賃貸不動産を自分名義で所有していれば、入居者は実在し、家賃は最初からあなたの口座に入り、建物は実際にそこに建っています。
誰かの決算報告を信じるしかない立場ではなく、自分の目と足で確認できる立場になります。
手放しで儲かる魔法のような不動産投資は今まで見たことがありませんし、そんなのあったら私も全振りで資金を投下します!(笑)
空室対策の提案、入居者付けの実行、コスト管理、日々のメンテナンス
——こうした地道な運用を、信頼できるプロの管理会社と二人三脚で積み重ねていくこと。
それこそが、何千万円、何億円という資産を長期にわたって守り育てる、唯一の正攻法だと私は考えています。
民泊投資のような後ろめたさやグレーさ、派手さはない。
ファンドのような簡易性、不明瞭さもない。
でも、実物の不動産による賃貸経営は、大きく崩れることはそうそうないように思います。
【まとめ】幻想を捨てて、地に足のついた不動産経営のご相談を
「甘い言葉で資金を集め、最後には破綻というかたちで投資家を裏切るファンド」
「泥臭く現場で空室を埋め、資産価値を維持し続ける管理会社」
とでは、そもそも立っている場所が違います。
私たちは後者であり、オーナー様の収益の最大化を目指し続けています。
もし今、手放しの高利回り話に少しでも心が動いているなら、あるいは今お持ちの不動産資産の管理体制に違和感を覚えているなら、大きな決断をする前に、一度、現場を知り尽くしたプロの目で状況を整理させてください。
今の管理・不動産投資が本当に適正かどうかを見極めることが重要です。
他人任せの幻想ではなく、自分の手でコントロールできる資産経営を、ここから一緒に組み立てていきませんか?。
弊社では、宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスターや、賃貸不動産経営管理士、行政書士、ファイナンシャルプランナーなどの有資格者が賃貸・売買問わず、お部屋探し・賃貸管理のお手伝いをさせていただきます。
◆◆◆ルームキューブ賃貸管理センターでは、賃貸物件を所有のオーナー様からの賃貸管理・不動産投資、また、不動産売却、不動産購入、住宅ローンに関するご相談などをお待ちしております。
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| 【この記事を書いた人 ルームキューブ 代表取締役 榎本 敦史】 家賃滞納の督促が不動産業界の入り口。その家賃の回収から入居審査、立ち退き交渉など、様々な入居者の方の人生模様に触れ、不動産管理会社のあるべき姿を模索し、ルームキューブを起業する。不動産投資のおまけのように扱われる不動産管理会社の仕事の大切さを知ってもらうために、収支改善、資産価値向上、コスト管理に空室対策といった分野で独自のアイデアを活かした賃貸管理サービスを提供している。 【保有資格】 宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・賃貸住宅メンテナンス主任者など |

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