マンションと戸建て比較。買うならどっちがいい?
2020.08.09
賃貸・売買物件情報
1-3.耐震性はマンションの方がいい?
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☆結論
分譲マンションの耐震性:☆☆☆☆☆
戸建ての耐震性:☆☆☆☆
→強固な地盤まで杭打ちを行い、構造も強固なマンションの方が耐震性は高いものの、耐震等級は戸建ての方が優秀な場合もある。
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耐震性という観点だけで判断すると、正直なところ戸建ての方が優秀なことが多いです。
それはマンションの場合、耐震等級1(数字が大きいほど耐震性が高い)のものが約9割だが、戸建ての場合は耐震等級3が8割以上です。
これは構造や建築コストによる理由から差が付いています。
しかし、新耐震基準に適合して建てられたマンションは、近年の大地震でも影響がなかったところがほとんどです。
逆に戸建ては比較的被害が出ています。
それはマンションの方が鉄筋コンクリートや鉄骨といった木造よりも強固な造りをしているといったことよりも、「基礎」の問題がほどんどかと思います。
マンションは固い地盤まで杭を打って基礎を作りますが、戸建てはべた基礎、布基礎共に地面に基礎を乗せるだけなので、地面にゆがみが出たり液状化をしてしまった場合は建物が傾いたりすることもあります。
傾けば負荷がかかりますからゆがみが生じて雨漏りが発生したり、クラック(亀裂)が入っちゃったりします。
マンションは概ね耐震性は良好だが、戸建てはその建設地の地盤次第ということになります。
(参考:耐震等級1が震度6から7程度の地震に対して倒壊しない、震度5程度の地震に対して外壁や内壁に被害が出ない程度の強さで、耐震等級2はその1.25倍、耐震等級3は1.5倍の地震力に対抗できる耐震性とされています。)
1-4.資産性はどちらが高い?
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☆結論
分譲マンションの資産性:☆☆☆
戸建ての資産性:☆☆☆☆
→マンションの場合は共用設備や管理体制が大きく影響する。戸建ては変動しにくい土地の価値の分、安定性がある。
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資産性を気にされる人も多いと思います。
大まかに頭の中を整理してもらいたいのですが、仮に分譲マンションと、戸建てを比較した場合の一例、
・分譲マンションの資産価値の割合
土地(共用部):建物=1:1
・所有権の戸建ての資産価値の割合
土地:建物=3:1
なんてことがあります。
(土地値ほぼゼロみたいな立地の場合もありますが、そんなのそもそも資産性ないですので除外です(笑))
つまり分譲マンションの場合は土地(共用部)と同じくらいに建物の資産性がある場合も多いですが、戸建ての場合は所有する土地の面積が大きいため土地の評価割合が高く、また木造は耐用年数も短いため建物自体の資産性が下がりやすい傾向があります。
また、土地(共用部)としたのは、分譲マンションの場合土地の評価はほぼ無視し、それよりも共用部の評価が重要だと思っているからです。
それでは結局、新築分譲マンションと新築戸建て、どちらの資産性が高いのかというと、築年数の浅い内はそんなに大差はないかなと思います。
問題は築年数が経過してきたとき。
区分所有法に基づく一定数の賛成の元で維持管理の意思決定をしていくことになる分譲マンションでは、管理組合がどの程度積極的に資産価値の維持を行う動きを取っていけるかが重要です。
共用設備をリニューアルしたり、適切な大規模修繕を行っていったり、区分所有者全員のマンションの使い方なども資産価値を大きく左右します。
逆に、所有者の独断で建物の維持管理をする戸建てでは、そもそも22年で耐用年数が切れてしまうので、それからは土地に資産性の重きが置かれるようになります。
マンションは建て替えをするとなると区分所有者の4/5の賛成や、一時的な多額の出費が出てしまう可能性もあるので建て替えのハードルが高く、上記したように共用部か管理の状態が悪化していると、第三者から見た資産性はかなり低くなってきます。
しかし、戸建ての場合はその土地にまた建物が再建築できる場合は、売却などの際にもしっかりと土地の価格で評価される売却が出来たりします。
マンションの資産性は土地の評価分は少なく、専有部・共用部で判断しないといけないが、戸建ては魅力ある土地であれば資産性は維持できるということになります。